今回は、サッカー少年のオーバーユースによる「かかと」の痛みの治療をご紹介します。
4月下旬、大村市より10歳の男の子がお母さんと一緒に来院されました。
その子のお父さんは私の25年程前からの知り合いで、私のブログを見て、子供のかかとが痛いとのことでご予約して来られました。
S君10歳、男の子、サッカーをしているとのこと。
予診票の痛い所に丸を付けてもらう全身図には、右の「かかと」と、右側肩甲骨の内側(僧帽筋下部、菱形筋のところ)に丸がされていました。
肩甲骨の所は疲れて筋肉が張るみたいで、いつもお父さんに揉んでもらっているとのことでした。(お父さんは優しいですね!(^^) )
メインの症状は「かかと」の痛みで、痛みのある場所は「かかと」の後ろ側の一番出っ張ったところより少し上の部分、つまり「アキレス腱がかかとの骨にくっ付いている部分」でした。
普段の生活の時は痛くなくて、サッカーをしている時や走る時に痛いとのこと。
現在はサッカー用と普段履き用のインソールを作ってもらって1年くらい履いているが、痛みはいくらか軽減するものの無くなりはしないと。
ふくらはぎの触診をしてみると、痛い方の右側より痛くない左側の方が大きく、軽く揉むと左側の方が痛いと。
「かかと」は最初左側が痛くなって、その後右側が痛くなったそうです。
元々は左足に痛みが出ていて、右足でかばっている間に、右足「かかと」に痛みが出て(かばっている間に左足は痛みが無くなって)、今度は痛くなった右足をかばって左足に体重(負担)がいつもかかって、左足はふくらはぎの筋肉が張って痛い状態のようです。
ということは、サッカーする時に、右足は「かかと」がとても痛く、左足はふくらはぎが痛い状態ということでしょうか。
うつ伏せになってもらって全身の状態を診てみると、少しお尻が出っ尻状態で、骨盤を押してみると沈み込みが少なかったです。
あと、猫背(丸くなっていて背中を押した時の動き(沈み込み)が悪い)になっていました。
まず、治療の基本となる骨盤の歪みと猫背を治すために、骨盤調整をします。
その前に、骨盤のズレ検査を、肩を動かして調べました。
骨盤の沈み込みの悪さは腰からではなく股関節の硬さからきていました。
当院オリジナルの骨盤調整(ゆっくりするので4~5分くらいかけて行います。)をしたら、骨盤の沈み込みも出来て、猫背の丸みもだいぶ改善しました。
それから、メインのかかとの痛みの治療をしました。
施術前に、今の状態を把握してもらうためにどうしたら痛みがあるか聞きましたが、走らないとわからないとのことでした。f^_^;)
まず、痛みのある右足をふくらはぎ中心に施術をしました。
ここは、江戸町、県庁の近くです。県庁から坂を下って(道沿いに右に曲がって)来ると「掌庵」に着きます。
ということで、この坂を利用して施術が上手くいったか確認することにしました。
施術後、S君に坂を走って上ってもらい痛みがあるか確認してもらいました。
もちろん、お母さんについて行ってもらい、車が出てくる脇道との合流点は走らずに、脇道から脇道までの安全なところをお母さんの安全確認の元、安全にまた周りに迷惑がかからないように走ってもらいました。
しばらくして、二人とも少し息を切らして戻って来られました。
左足は痛みがあったけど、施術をした右足の「かかと」は痛くなかったそうです!
上手くいったということで、次は、左足に施術をしました。
また、走ってきてくれる?と聞くと、二人とも無言………。
結構きつかったようです。 f^_^;)
軽くでいいのでとお願いし、走ってきてもらいました。
結果は、左足も痛みが無くなりました!
原因はサッカーによるオーバーユースなので、続けている限り今後も痛みが出てくると考えられるので、日頃からのストレッチとスポーツマッサージの仕方を教えました。
痛みがあるとき、何もしないと良くはなりません。
まずは、ご自分で出来るストレッチやセルフマッサージなどを練習の前後に必ず行なう習慣をつけることが大事です。
それでも、痛みが出たりひどくなる場合は専門の病院や治療院で診てもらうことをお勧めします。
オーバーユースによって選手生命が短くなったり、出来なくなる有能な子供達が減りますように!
「掌庵」は、少年の成長痛「オスグッド病」の治療もしております。
1回目から膝の曲がる角度が良くなったり、痛みが格段にひいたりと、改善を実感される方がたくさんおられます。
痛みを我慢しながらでは、パフォーマンスは落ち続けていきます。
早めの治療をお勧めいたします。
長くなりました。
おしまい。