2017年ブログより

８０代女性の方（Ｔ さん）よりお電話にてご予約がありました。

症状をお聞きしますと、首から肩にかけて凝っていて、整体では肩などは硬くて指が入らないと言われていたとのこと。

この頃は少しシビレも感じだしたとのことでした。

２年間ほど毎日のように整体に通ったが良くならず、頭痛もしていたので大きな病院でＭＲも撮ってもらったが脳には異常はないとのこと。あと他にも大きな病院に行って診てもらい異常は特にないとのことでした。

このごろ調子が少しずつ悪くなってきているような感じがしたので、違うところに行ってみようとご来院。

腰痛、ひざ痛もたまにあり、ふくらはぎや足裏がつることもあるとのこと。

肩こりの原因はだいたい肩にはないことがほとんどです。

肩の部分の筋肉が他の部位から引っ張られ、血行不良となり痛みを感じることになります。

なので、どこから引っ張られているのかがわかれば、とっても楽になります。

いろいろ先生方で肩こりの原因は違うと思われますが、筋筋膜経線（アナトミートレイン）で言いますと、ＤＦＬ（ディープフロントライン）と言われる背骨の前側を通る深部の筋膜が一番影響していると思っています。

ＤＦＬとあとはＡＬ（アームライン）そしてＳＢＬ（スーパーフィシャルバックライン）も影響している場合が多いです。（あとＳＰＬもですが。）

肩こりだけではなくその他の症状もそうですが、何年もその症状が長期化されている方は、その期間中にいろんな筋膜のラインが影響し合って、たくさんのラインがおかしくなっているようです。

Ｔ さんの身体の感じは、ふくらはぎ、足裏のむくみがひどい。

骨盤や腰椎（腰）の硬さはふつうよりちょっと硬めなくらいで腰の反りは少なめ、肩甲骨間より上はカチンとすごく硬く、そのうえむくみで厚みもできています。

首から肩にかけてはスジがあり、肩を交互に押して動かすと頭が片方に引っ張られます。

ＤＦＬの施術をしますと、背中全体にしなりが出来てきます。すると、指がある程度沈み込んできます。（そこの筋肉をほぐせるということですね。）

そして、ふくらはぎ（特に下部）と足裏のむくみが改善してきます。

そして前と後ろのＡＬのリリースを行うと肩甲骨間のゆるみが出来、首から肩にかけてのスジがとれてきます。

そうして背中全体が緩んでくると、脚が硬い人は、ＳＢＬなどのつながりで脚の筋肉が背中の筋肉を引っ張り、また背中に張り感が戻ってきます。

そういうときは、ＳＢＬの下半身をリリースしてあげます。

すると、背中がゆるっゆるに柔らかくしなやかになります。

すると、力はほとんど入れずに、肩・背中をしっかり押すことが出来ます。

あとは微調整として各ラインの部分的リリースをします。

この方の、首と肩を触っていた時間は全体の時間の１０％くらいではなかったでしょうか。

それも少しの力でスライドさせるようにリリースするだけです。危険な手技はまったくありません。

さきに書きましたように、肩こりの原因が全身にある場合は全身に施術しているため、時間がかかります。

でも結果的に全身調整しますのでみなさんとってもすっきりされて帰られます。

ちょっと前まで毎日のように整体に通われていた Ｔ さん。

今度はいつ来たらいいでしょうかと聞かれました。

そうですね。１週間後に来られてみていいのではないでしょうか。だいぶ良くなっているみたいですのでとお伝えしました。

それから約３週間後にご来院されました。

ちょっと前に咳がひどくてそれから調子を崩してしまい来ましたと。

前回の治療の帰りは、とても調子良く帰ることが出来ましたと言っていただけました。

それからとても調子がずっと良かったんですと。

長く来られなかったので、どうだったかな？とちょっと心配していました。

良くなってよかったです。

マッサージなどで良くならないときは、掌庵の筋筋膜調整をご検討ください。

おしまい。

左から、　ＤＦＬ　、　ＦＡＬ　、　ＢＡＬ　、　ＳＢＬ